寝ている子どもが突然泣き叫んだり歩き出したりすることで、不安になったことはありますか?幼児期に起こる夜泣きのことを「夜驚症」といいます。子どもの夜驚症について、松山医院の松山郁子医院長にお伺いしました。
(監修:松山医院 松山郁子医院長)
夜驚症(やきょうしょう)とは…
一般的な「夜泣き」は睡眠サイクルがまだ不安定な生後3か月頃から2歳ぐらいまでに起こります。一方、夜驚症は、3歳~7歳の子どもが発症することが多い睡眠障害の一つです。
突然泣き叫んだり、歩き出したり暴れだすなどパニック状態になることもありますが、本人は全く覚えていない場合が多いです。脳の一部だけが起きている状態なので、声をかけても反応はしません。夜驚症は、健康上には問題なく成長とともに治まっていきます。
こんな夜に起こる可能性あり
- 日中に大きな刺激を受けた時
- 緊張した日
- 悲しいこと、怖いことがあった日
特徴
- 眠ってから1~3時間後にあらわれる
- 目を見開く、汗をかく、呼吸が荒いなどの状態がみられることも
- 呼びかけても反応しない
- 本人は覚えていない
- 5~10分でおさまる
アドバイス
夜驚症は、大人が落ち着いて対応することが何よりも大切です。無理に押さえつけたりせずに、やさしく抱きしめてあげてください。また、日々の睡眠習慣を整えてあげましょう。多くの場合2~3ヶ月で徐々に起こる回数は減ってきます。
対策
- ストレスの原因を取り除く
- 寝る前のテレビやスマホを控える
- 睡眠習慣を整える (決まった時間に決まった手順で布団に入る)
- 安全に見守る
こんな時は専門家に相談を
- 症状が長時間続く
- 一晩に2~3回も見られる
- 1回の夜驚が10分以上続く
このような症状が長く続き、睡眠への影響が大きいようなら、小児科や専門医に相談してみましょう。
まれに夜驚症と同じような症状を起こす病気もあります。不安なときは小児科の先生に相談してください。
ライター
このライターの最新記事
- 医療・福祉2022年11月4日<小児科医監修>便の回数が少ない、出ない…子どもの「便秘」チェックリストと解消法&予防法
- 医療・福祉2022年4月27日ウチの子「肥満」大丈夫?子どもの「適正体重」を知っていますか?
- 医療・福祉2022年4月21日うちの子もしかして「低身長症」?治療は可能?
- 医療・福祉2022年4月21日その夜泣き「夜驚症」かも?幼児期に発症する睡眠障害