我が子の身長が低いと、「パパもママもそんなに大きくないし…」「そのうち、大きくなるはず」と思い、そのままにしていませんか?低身長症と診断されれば治療が可能となり、身長は伸びます。低身長症について詳しく松山医院の松山郁子先生にお伺いしました。

(監修:松山医院 松山郁子医院長)

低身長症とは?

子どもの身長が低い原因は、親の背が低いなどの遺伝や体質によるものが多いです。しかし、なかには成長ホルモンなどの身長を伸ばすホルモンが出ていない場合や、染色体や骨の病気によって身長が伸びない場合もあります。また、小さく生まれて、その後の身長があまり伸びない子どももいます。原因は様々なので、治療が可能かどうかをきちんと見極めることが大切です。

低身長の原因

  • 体質性
  • ホルモン分泌不全
  • SGA性(標準身長・体重に比べて、小さく生まれること)
  • 腎臓・肝臓・心臓などの病気
  • 染色体や骨の異常
  • 愛情遮断症候群 など

成長曲線をつけてみよう!

今の身長が標準からどれくらい離れているか、1年間でどれくらい成長しているかなど、子どもの成長曲線を記録してみましょう。

母子手帳に表示している「標準成長曲線」グラフシートに子どもの身長を入れることで、成長度合いがわかります。

治療法

夜驚病院で問診や血液検査など様々な検査を行い、その結果、成長ホルモンが不足していると判断された場合は、成長ホルモン充填療法を行います。成長ホルモン充填療法は1日1回の注射による治療で、自宅での自己注射することができます。細く短い針の注射針で、副作用も少ないことから安心して治療することができます。

検査内容

  • 問診
    生まれた時の状態や生活習慣などについて
  • 血液検査
    成長ホルモンの分泌について
  • 身長体重測定
    どれくらい平均から離れているか
  • レントゲン検査
    骨の状態や発育の度合い

早期治療が大切!

成長ホルモン療法は、大人の骨になると効果がなく、注射をしても身長が伸びることはありません。子どものうちから治療を始めることが重要!一般的に低身長が明らかになってくるのは、3~4歳過ぎなので、治療開始時期は主治医と相談して決めていきましょう。

松山郁子医院長

去年着ていたお洋服が今年もまだ着られるなど、日常の中で低身長に気づくきっかけもあります。治療に適したタイミングもありますので、小さなことでも気になることがあれば小児科の先生に相談しましょう。