「ごはん」の時間は楽しい時間
「ことまま」に寄せられた声からも苦手なたべものがある子どもがたくさん居ることが分かりました。特に子どもの野菜嫌いは不変ですね。また、食物アレルギーのために食事内容に気を配る必要のある子どももたくさんいます。食欲の増す季節が到来です。好き嫌いがあってもアレルギーがあっても、おなかも心もほころぶごはんが食べたいですね。

※こちらの記事は『ことまま』2025年11・12月号で掲載したものです

「おいしい!」と、好きなものをパクリ。「ちょっと苦手」と、ほんのひとかじり。偏食や食事のマナーなど、子どもの「食」について近畿大学農学部食品栄養学科の冨田先生にうかがいました。

近畿大学農学部食品栄養学科
(給食経営管理学研究室)
准教授 冨田 圭子 先生

ママさん達は本当に忙しいですよね。朝から夜まで家事と育児と仕事で「早く、早く」と何度口にするか分からないほどでしょう。だから、毎日でなくて構わないです。お休みの日などに「ごはんのときぐらいは」という気持ちで、ごはんの時間を親子でホッとする時間にしてみてください。同じ10分でも、ホッとできる10分は気持ちに余裕が生まれてみんなの癒やしの時間になるはずです。時間の長さではなく、どれだけ心が触れ合えているかが大切です。

苦い!美味しくない!見た目がイヤ!など嫌いなものには、子どもなりの理由があります。本音を言えば、何か1つの食材を食べないからと言って健康に成長できないわけではありません。そうは言っても、偏食は気になりますね。まずは、パパやママが美味しそうに食べているところを見せて、嫌いなたべものの印象を良くしてあげましょう。何度も繰り返すうちに食べてみる気になるかもしれません。「一口だけ食べてみて!あとはママが食べてあげるよ!」などと、チャレンジするチャンスを作ってあげるのもいいですね一口でも食べられたときは、たくさん褒めてあげましょう。褒められると、自己肯定感が高まり、地震や意欲が増すと言われています。

また、たまには好きなキャラクターのポスターをランチョンマット代わりに敷いたりして、いつもと違う演出をしてみるのもたのしいかもしれません。食事時間を「たのしい時間」にし、嫌いなものにも「チャレンジしてみようかな?」と思えるリラックスした環境を作ってあげましょう。今は食べることができなくても、大きくなったときに「苦手だけど食べることはできるよ」ってなっていればいいですね。

たべものの好き嫌いは生活全般にも通じます。大きくなるにつれてイヤなものや苦手なことでも受け入れないといけないことが必ず出てきます。そんなときに、イヤなものは受け入れないという頑なな態度ではトラブルにもなりかねませんよね。少しでも受け入れる気持ちを持っている方が、楽にその場を乗り越えることができると思いませんか。

「何かあったの?」と聞かなくても、顔や食べっぷりを見れば察することができますよね。

家庭での食事が給食と大きく違うところは「元気がないから今日は好きなものにしてあげよう」、「ちょっと風邪気味だから温かいものにしようね」といった、その子だけへのいたわりやメッセージが込められたオンリーワンの食事だということです。

買ってきたお惣菜でも同じです。「〇〇ちゃんの好物だから」、「美味しいから〇〇ちゃんに食べさせてあげたい」という気持ちが込められているんですから。毎日繰り返される食事の時間は、心を通わせる絶好の機会です。自分のことを愛してくれる家族との食事を通じた温かいかかわりが、心のやわらかい部分を育てるだけでなく、家庭の中に子どもの居場所を作り、前向きな気持ちにさせてくれます。

・マナーはカタチではなく相手が気持ちよくすごすための心遣い
・食事マナーを学ぶことは、人やモノへの気配りや優しさを学ぶこと
・一度身につけたマナーは一生の財産・宝もの

ライター

ことまま編集室
ことまま編集室
奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
Instagram: @co_to_mama