乳歯が生え始めたときから、なにかと気になる子どもの歯。歯みがきや歯並び、虫歯など、子どもの歯にまつわるあれこれをシリーズで中山矯正歯科・小児歯科の中山先生に伺います。

かかりつけ歯科医院

むし歯が痛くなってからだと、治療に時間がかかります。子どもにとってもしんどくて、歯科医院に苦手意識を持ってしまいます。そうならないように定期的に検診に通いましょう。「乳歯はいずれ抜けるから虫歯になっても構わない」と思っていませんか。乳歯の虫歯がひどくなると、乳歯のすぐ下で発育中の永久歯にも変色やいびつな形になるなどの影響を及ぼす場合があります。

また、乳歯がひどいむし歯になって、自然に抜けるよりも早く乳歯を失うと、永久歯が生えてくるまでに半年以上かかる場合があります。歯がない状態で半年以上食事をしていると、本来とは違った顎の使い方をして、正しい食べ方や話し方が身につかない可能性があります。永久歯の生えてくるスペースも狭くなってしまい、歯並びにもよくありません。乳歯のむし歯も放って置かずに、虫歯になった原因に目を向けて、永久歯を健全に維持しましょう。かかりつけの歯科医院は重症化を予防し、赤ちゃんから高齢期まで歯で困ることのないように気軽に相談できる場所です。

食生活による虫歯予防

●砂糖の甘味よりもフルーツやさつまいも、とうもろこしなど素材そのものの甘味を
●哺乳瓶で甘いジュースを飲まない
●だらだら食べをしない
●粘着性のあるチョコレートやキャラメルなどは、むし歯になりやすいので控える
●よく噛んで唾液を多く出す

自宅でのケア

痛くなった歯や虫歯を治すのも医療ですが、綺麗な状態で生えてきた歯を守り抜く予防歯科もとても大切な医療です。歯科医院では年齢に応じた正しい自宅ケアをお伝えすることができます。個人差はありますが、乳歯は大体6~8か月頃、下顎の前歯から生えてきます。ちょうど離乳食の開始時期と重なり、汚れも付きやすくなります。生えたての歯はまだ弱く、虫歯になりやすい傾向にあります。特に虫歯になりやすいのは上の前歯の歯と歯の間です。歯と歯の間は歯ブラシよりフロスの方が汚れを取るのに有効です。後々、乳歯列が完成した際もフロスの使用は虫歯予防にとても大切です。歯が生えてきたらホームケアをスタートさせてください。

12才ぐらいまでは、徐々に回数は減っても親御さんの仕上げ磨きが必要ですが、最終的には子ども自身が、歯の大切さを理解し、自分で正しいケアができるようになることが大切です。

自宅ケアのポイント

●初めての歯は柔らかいガーゼで優しく拭いて歯みがきに慣れよう
●仕上げみがきは柄の長い専用歯ブラシで
●上の前歯が生えてきたら自分みがきは赤ちゃん用で
●歯みがきは毎食後が理想。少なくとも朝晩2回
●Y字タイプのフロスが有効

教えて!先生

子ども用の甘い歯みがき粉は使っていいの?

大人用歯みがき粉は子どもには辛く感じることもあります。子ども用のいろんな味を使うことで毎日楽しんでできるかもしれませんね。歯みがき粉が泡立つと、みがけた気がしてしまいます。歯みがき粉は正しい歯みがきができるようになってから使いましょう。うがいができるようになるまでは歯みがき粉は使わなくても構いませんよ。

(左)中山雄司先生
歯学博士 日本矯正歯科学会認定医
(右)中山奈緒先生
小児歯科担当医

中山矯正歯科・小児歯科 西大寺

奈良市西大寺南町2番4 サンスクリット西大寺101
☎ 0742-93-6266
HP https://nakayamaortho.com/

ライター

ことまま編集室
ことまま編集室
奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
Instagram: @co_to_mama