
乳歯が生え始めたときから、なにかと気になる子どもの歯。歯みがきや歯並び、虫歯など、子どもの歯にまつわるあれこれをシリーズで中山矯正歯科・小児歯科の中山先生に伺います。
本記事は「ことまま(2025年1・2月号)」に掲載した内容です。
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【虫歯になるしくみ】
虫歯は、歯の質、糖質、細菌(ミュータンス菌)の3つの要素が重なったとき、時間の経過とともに発生します。食事をすると歯の表面に汚れがつき、時間とともに細菌が増えて歯垢(プラーク)になります。歯垢1㎎の中には10億個以上の細菌が存在していて、その細菌が酸を出しし、歯の成分を溶かします。この時点では、唾液やフッ素によって歯が元に戻ることが可能です。この、歯を溶かす「脱灰」と修復を行う「再石灰化」が同じ程度で繰り返されている間は健康な歯が保たれます。でも、だらだらと甘いものを食べ続け、歯磨きが不十分になると、「再石灰化」よりも「脱灰」が進み、歯の修復が間に合わなくなると虫歯になり穴が開きます。乳歯は、歯の一番表層を覆っているエナメル質の厚みが永久歯の半分しかありません。酸によって溶けやすく、すぐに穴が開き、虫歯の進行が早くなります。

【虫歯にならないために】
甘いもの(特にショ糖)が長時間、口の中にとどまる環境を虫歯菌は好みます。甘いものを食べるときは量より時間を意識するようにしましょう。おやつは時間を決め、なるだけフルーツや焼き芋、とうもろこしなど食材そのものが甘いものを取り入れるようにしてください。母乳や粉ミルクに含まれる乳糖も虫歯の原因になることがあります。
また、唾液の量が少ない場合も虫歯のリスクは高くなります。睡眠中は分泌量が減ってしまうので、歯が生えてきたら、なるだけ歯磨きをして寝るようにしてください。難しければガーゼでふき取るだけでもリスクは低くなります。子どもが小さいうちは、保護者のお箸やスプーンを共有することも多く、熱いものをフーフーと冷ますなど、保護者の口腔内の細菌状態にも影響を受けるので、一緒に生活する人の口腔内も清潔に保つようにしましょう。
歯を磨いていても虫歯になるという場合は、磨き方に問題がある可能性があります。歯並びが良くない場合も歯磨きに注意が必要です。年齢によって歯磨きにもポイントがありますので、歯科医院でアドバイスをもらって正しい歯磨き方法を取り入れてください。
教えて!先生
フッ素って、歯に良いの?
フッ素は再石灰化を促します。フッ素の成分が歯のエナメル質と結びつき、虫歯に強い歯質へと強化してくれます。歯科医院でのフッ素塗布に加えて、自宅でもフッ素入りの歯磨き粉やジェルを使うとフッ素の効果が高まります。歯科医院での塗布は、虫歯のリスクが高まる上の前歯が生えてきた頃から始めてもいいかもしれません。生えたての永久歯にもおすすめです。フッ素を塗ったあとの30分程は、飲食やうがいを控えましょう。
中山矯正歯科・小児歯科 西大寺
奈良市西大寺南町2番4 サンスクリット西大寺101
☎ 0742-93-6266
HP https://nakayamaortho.com/
ライター

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奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
Instagram: @co_to_mama
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