乳歯が生え始めたときから、なにかと気になる子どもの歯。歯みがきや歯並び、虫歯など、子どもの歯にまつわるあれこれをシリーズで中山矯正歯科・小児歯科の中山先生に伺います。

噛むことのススメ

「ひみこのはがいーぜ」という食育ワードをご存知ですか?噛むことの効用を咀嚼回数の多かった弥生時代の卑弥呼にかけて表したものです。よく噛むことのメリットは大人にもたくさんあります。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンまで分泌されるんですよ!ぜひご家族皆さんで楽しく取り組んでみてくださいね。

肥満予防
味覚の発達
言葉の発音はっきり
脳の発達
歯の病気予防
ガン予防
いー 胃腸快調
全力投球

目標一口30回

子どもが小さいうちにお家でできることは、まずよく噛んで食べること。顎の成長には上下に噛むだけでなく、左右に動かすことも大切です。3歳くらいまでは、少し硬めの果物(りんご、梨、柿など)を食事に取り入れて、よく噛んで食べることに慣れてもらいましょう。4歳ごろからは根菜類や煮干しや昆布、ゴマやアーモンドなどのナッツ類、ほうれん草や小松菜などの葉物、硬いだけでなく噛みごたえのある食事を取り入れましょう。目標は一口30回、強く噛むのではなく、噛む回数を増やすことがポイントです。また、正しい姿勢で食べることも重要です。椅子に座って食事する際は足がつかないとお腹や背中に力が入らず姿勢が悪くなるため噛む力が弱くなります。子どもの足がブラブラしないように踏み台を置きましょう。

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顎と歯並び

「乳歯の歯並びがきれいだと永久歯の歯並びが悪くなるって本当ですか?」という質問をいただきます。本来、乳歯は永久歯への移行をスムーズにするため、歯のすき間が多い傾向にありますが、最近では顎の小さい子が増え、乳歯でさえ並びきらずガタガタに生えている子も見られます。顎が小さいと歯並びが悪くなるほか、上顎が小さい場合は鼻腔が狭くなることによるいびきや鼻づまり、活舌が悪くなる、うまく噛めないといった問題が起こります。顎の形状は、ある程度は遺伝ですが、適度な刺激があると顎も発達します。上顎は小学校低~中学年にかけて、下顎は小学校高学年から思春期の終わりごろに大きく成長します。歯並びは様々な要因に影響を受けるため、矯正治療だけでなく、口周りの筋肉を鍛えてバランスを整え、正しく咀嚼・嚥下するMFTトレーニング(口腔筋機能療法)を行うことも大切です。

教えて!先生

キシリトール入りのお菓子は本当にいいの?

キシリトールはお砂糖と違って虫歯菌の餌とならず、歯を溶かす酸を作り出すことができません。それどころか、唾液中のカルシウムとくっついて溶けた歯の再石灰化を促すので虫歯予防に効果的です。最近ではガムやキャンディーの他にもチョコやラムネなど様々な種類のキシリトール入りのおやつが発売されていますね。選ぶときには、甘味料としてキシリトール100%のものを選びましょう。体質によっては、食べすぎるとお腹が緩くなることもありますので少しずつ試してください。歯磨き後のご褒美にも最適です。とは言え、毎日の歯磨きが1番大切です。補助的な役割として活用してくださいね。

(左)中山雄司先生
歯学博士 日本矯正歯科学会認定医
(右)中山奈緒先生
小児歯科担当医

中山矯正歯科・小児歯科 西大寺

奈良市西大寺南町2番4 サンスクリット西大寺101
☎ 0742-93-6266
HP https://nakayamaortho.com/

ライター

ことまま編集室
ことまま編集室
奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
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