
帝塚山大学心理学部心理学科准教授で、こころのケアセンター臨床指導員の式部先生に「療育」を受けるメリットを伺いました。
環境の変化の捉え方(後編)
進級するにつれて、スプーンがお箸に、クレヨンが絵の具にと、使う道具も変化します。大きくなったのだからひとりでできるよねと、大人からの見えないプレッシャーもあるかもしれません。子どもにとっては、うまくできずにイライラして、何にイライラしているのかもうまく伝えられなくて、大声を出したり、物を投げたり、ちょっとのことで泣いたりしやすくなるものです。この時期を乗り越えるには、少しずつ、「できた!」を増やすための工夫が必要です。
たとえば、「ひとりで手を洗う」という行動で考えてみましょう。大人は当たり前にやっている行動ですが、「手洗い場の前に立つ」「蛇口をひねって水を出す」「手に石けんをつける」「ゴシゴシと両手を擦る」「蛇口をひねって水を止める」「手を拭く」、この行動の連続が「手を洗う」動作です。ひとつひとつの行動に「そうそう」、「おてて、きれいになったね」とほめてもらいながら、自分でできる部分が増えていくと、「ひとりで手を洗う」ができるようになります。
うまくできなくて結局は大人がやってしまうことが多い場合は、大部分を手伝っておいて、最後の動作だけは子どもにしてもらい、「できた!」の感覚を味わうことから始めてみましょう。手洗いであれば、最後のタオルで一拭きだけを子どもにしてもらうことからでも大丈夫。
少しずつ、子どものできる部分は増えていきます。「できた!」を増やして、子どもと一緒に喜ぶ感覚を大人も味わうことが大切ですね。
※こちらの記事は『ことまま』2025年7・8月号で掲載したものです。
ライター

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奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
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