
帝塚山大学心理学部心理学科准教授で、こころのケアセンター臨床指導員の式部先生に「療育」を受けるメリットを伺いました。
療育って特別なこと?
「療育」と聞くと、専門家の先生だけが行うもの、というイメージがあるかもしれません。
専門家のできることは、子どもをよく観察して、できることはもっと得意になるように、できないことはできるようになるための工夫を、お父さん、お母さんと一緒に考えることです。専門家から子どもに合う支援のアドバイスをもらうことはもちろん大切ですが、毎日多くの時間を過ごす家庭で、子どもにとってのチャレンジや成功のチャンスを増やすことも、とても大切です。
たとえば、「くつ下を自分ではく」ということにチャレンジするとき、つま先をくつ下の履き口に入れる、くつ下をひっぱり上げるといった動作のコツを専門家から教えてもらったとします。そのコツを参考に、家庭で毎朝、登園前にくつ下を履くことにチャレンジします。大人が手伝うところ、手伝わなくてもできるところをじっくり観察してみましょう。手伝うところは、少しずつ、大人の援助を減らしていきます。すると、少しずつ、子どもができる部分が増えていきますね。できたことをほめていくと、子どもは、「自分でできた」達成感と、「自分で履ける」自信を持てるようになります。こうした生活動作や会話などのコミュニケーションは、毎日の積み重ねで少しずつ、上手になっていきます。
療育は、子どもの発達を応援すること。特別な場所、特別な時間でなくても、毎日のすべてのおうち時間が、子どもの成長につながっているんですね。
※こちらの記事は『ことまま』2024年9・10月号で掲載したものです。
ライター

-
奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
Instagram: @co_to_mama
このライターの最新記事
医療・福祉2025年4月30日うつる結膜炎とうつらない結膜炎
ピックアップ2025年4月24日【2025年】5-6月イベント情報
ピックアップ2025年4月16日おうちで作ろう!ご当地給食メニュー【ばら寿司】
教育2025年4月10日【療育って、なぁに】気になる行動は子どもからのメッセージ(後編)