帝塚山大学心理学部心理学科准教授で、こころのケアセンター臨床指導員の式部先生に「療育」を受けるメリットを伺いました。

気になる行動は子どもからのメッセージ

お片づけだよと声をかけるとひっくり返って泣く、靴を履いてと促すと靴を投げる、公園から帰ろうと言うと笑いながら走って逃げておいかけっこになる…。

どうしてこんなことするんだろう、どうしていつもこうなるんだろうと、子どものすることの意味が分からなくて落ち込んでしまうことがありますね。ことばで伝えることや、気持ちを伝えるのが苦手な子どもは、行動そのものが子どもからのメッセージになっていることがあります。

子どものメッセージを読み取るためには、その後の大人の対応や子どもの様子をじっくり観察して振り返ってみることが大切です。

子どもがひっくり返って泣いた結果、お片付けを手伝いませんでしたか。泣いた結果、片付けなくて済んだり、片付けながら一緒に遊んでもらえたら、子どもにとっては、こうすれば伝わるんだ!というコミュニケーションがうまくいった体験になってしまいます。子どもの目線で、子どもの伝えたいことを、読み取ってみましょう。

行動のメッセージはひとつだけでないこともありますが、必ず何らかの伝えたいことがあるはずです。目の前のことから回避したくてしていること、それがほしい・もっとしたいからすること、注意を引きたくてしていること、それをしていると感覚的に心地よかったり落ち着くからしていること。子どもの行動のメッセージが見えてくると、その先のかかわり方もみえてきます。かかわり方のコツは、後編で。

心理学部心理学科准教授
臨床指導員
式部陽子先生

帝塚山大学
こころのケアセンター

奈良市学園南3丁目1-3
☎ 0742-41-4937

※こちらの記事は『ことまま』2024年11・12月号で掲載したものです。

ライター

ことまま編集室
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奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
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