帝塚山大学心理学部心理学科准教授で、こころのケアセンター臨床指導員の式部先生に「療育」を受けるメリットを伺いました。

気になる行動は子どもからのメッセージ(後編)

『外食をしたときに、じっと待てなくて立ち歩いた』
『大きな声を出して騒いだ』


このような行動を子どもがとったとき、どうしていましたか。大人の対応を振り返ってみると、お父さんやお母さんが追いかけてきてくれて待つ時間が退屈ではなくなったり、「静かにしなさい」と言ってスマホで動画を見せてもらえたり、子どもにとっては、注意をされたはずが少しうれしい結果になっていることが多いものです。

ことばで気持ちを伝えることが苦手な子どもは「待ってる間が退屈でイヤだ」と上手に言うことができません。前編でお話したように、行動そのものが子どもからのメッセージになっていることがあります。子どものメッセージを読み取ることができたら、事前のエ夫を試してみることができます。
たとえば、外食に行くときは、手持無沙汰な時間を過ごせるグッズをいくつか持っていく。本を読んだり塗り絵をしたりして待つ時間を過ごせたら、大人もほっとして穏やかに子どもを見つめることができるでしょう。

そこで大切なのは、声かけです。
「塗り絵をしたら楽しいね」「ママもうれしいよ」など、立ち歩いたり騒いだりせず過ごせていることに対してポジティブな声かけをしてめてあげましょう。


1日にひとつ、なにかを褒めようと子どもを見ていると、褒めることも癖になり、自然とできるようになってくるから不思議です。ほんの少しでもうまく過ごせたときには、子どものことも、あなた自身のことも、「今日はうまくいったね!」と褒めてあげてくださいね。

心理学部心理学科准教授
臨床指導員
式部陽子先生

帝塚山大学
こころのケアセンター

奈良市学園南3丁目1-3
☎ 0742-41-4937

※こちらの記事は『ことまま』2025年1・2月号で掲載したものです。

ライター

ことまま編集室
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奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
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