おけいこの発表会や休日のメイクで、カラーコンタクトを使用する子どもが増えています。子どものコンタクトレンズの使用について、あや眼科クリニックの安井先生に聞きました。
※本記事は「ことまま(2024年5・6月号)」に掲載したものです。
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日常のコンタクトレンズのデビューの時期は?
日常診療をしていると親御さんから「コンタクトレンズは何才ぐらいからできますか?」と質問されることがよくあります。大前提として、低年齢児に対する日常的なコンタクトレンズ(CL)装用はお勧めできません。CLは直接目の中に挿入する高度管理医療機器です。目の中に異物を入れる訳ですから、角膜潰瘍や感染性角膜炎などの重篤な感染症を引き起こすリスクが高まります。角膜潰瘍を起こす原因の半数以上はCL装用であり、10~19歳においてはその割合は90%以上とも言われています。
来院される患者様には「自分の身の回りのことが自分できっちりできるようになったらデビューできるかな」とお伝えしています。小学校でもしCLが外れてしまったら?担任の先生や保健の先生などの手を借りないと元に戻せないのであれば、デビューとしては少し早いでしょう。ひとつの目安は中学校に上がる頃かもしれません。どこまで自らの責任でできるかは個人差も大きいところです。各ご家庭でお子さんと保護者の方が話し合い、自分の責任で装用できると判断してから検討しましょう。
特別な日にカラーCLを使用したい
昨今、インターネットでも簡便にCL購入が可能となっています。一方、インターネットなどで購入した利用者にCL関連眼障害が多いことも報告されています。CL販売業者は販売時に、購入者の医療機関への受診状況を確認し、医師の指示内容を保存するよう厚生労働省から通知されています。CLを購入する際は、カラーCL、クリアCLどちらであっても、眼科医による診察、処方を受けて購入するようにしてください。日常的なCL使用ではなくイベントなどの機会使用においても、注意点は同じです。基本的に、幼少児のCL使用は眼障害のリスクが高いため、そのリスクと利便性を天秤にかけて、保護者として正しい判断をしてください。
保護者の協力・適切な理解が必要
初めてのCL装用にあたって、当院では必ず使用方法の説明・指導を丁寧に行います。CLに触れる時は必ず手を洗って、伸びた爪では触らない。CLの装用期間を必ず守り衛生的に使用する。調子が悪いときは眼鏡装用に代える。度数は変化するので必ず定期的に眼科受診をするなど。
当たり前のことが守れず、目に大きなトラブルが生じて、生涯にわたり後遺症が残る症例が後を絶ちません。保護者の方の適切な理解が不可欠です。
わからないことは相談してください
CL装用は生活の質を上げるためには欠かせないもののひとつとなっています。一方で、不適切なCLによる眼障害やその後遺症に悩む患者様も多くいらっしゃるのが現実です。お子さんの将来にわたる目の健康を守るために、保護者の方の理解が非常に重要になってきます。わからないことがあればかかりつけの眼科医にいつでも相談してください。
医療法人 桜雲会
あや眼科クリニック
一般眼科、小児眼科、コンタクト葛城市尺土9-10 あすかビル2階
☎ 0745-48-0017
HP https://www.aya-eye.com/
ライター

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奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
Instagram: @co_to_mama
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