おねしょ、おもらし、おちんちんのことなど子どものおしっこや性器にまつわる悩みはつきません。子どもの泌尿器科を専門に診ておられるふくいクリニック院長福井先生に教えていただきました。

小児泌尿器科ってどんなところ?

泌尿器科は、尿が作られる腎臓、尿が体の外に出るときの通り道である尿路、精巣や陰茎などの外性器を診る診療科です。男の子の精巣や陰茎、女の子の子宮・膣も診ています。

子どもの泌尿器の症状は、おしっこの間隔が短い、痛がる、おもらし、おねしょのほか、おしっこの色やにおい、検尿での異常などがあります。男の子だけの症状では陰茎に関するもの、女の子だけの症状では股間が痛い、痒い、などがあります。気になる症状には、成長するにつれて起こるもの、成長とともに改善するもの、経過観察後の治療が重要なもの、早急な治療が必要なものなどがあります。

おとなの泌尿器科と診察する箇所は同じでも、子どもは検査や治療の方法が異なります。おしっこや性器に関することならどんなことでも小児泌尿器科にご相談ください。

おもらしは病気?

新生児は1日約20回も排尿をします。1回の量は少なく、一部が膀胱に残っていることもあります。1歳くらいで尿が貯まった感覚がわかるようになり、2-3歳でまとめてしっかり出せるようになります。排尿機能の発達には個人差があり、早ければ3歳で完成しますが、遅ければ7-8歳になっても完成しないこともあります。

昼間の尿失禁(おもらし)の原因の多くは、急におしっこがしたくなる過活動膀胱です。トイレに慌てて駆け込む、座り込んでモジモジする、足を交差する、尿の出口を圧迫するなど、おしっこをがまんする姿勢をとることで、周囲が気付くことも多いです。

成長とともに改善することも珍しくないですが、5歳以上でも改善されない場合は治療を行います。治療は生活習慣を整えることから始めます。排尿回数が少ないお子さんでは2-3時間毎など決めた時間に排尿することで改善することもあります。改善しなければ薬物療法を検討します。便秘のほか、神経疾患や、腎臓や尿路の異常など、先天的な病気が原因となっていることもあります。便座に座る時の姿勢も重要です。足がブラブ ラしないよう台座を置くなど足をしっかりつけるようにしましょう。

男の子・女の子別の気になる症状
こんな症状があったら病院で相談してみよう

男の子特有の症状
□陰茎を痛がる、かゆがる
□陰茎の先が腫れている、赤い
□陰茎の形・色・大きさ・においなどが気になる
□陰茎の皮がむけない(包茎)
□睾丸が触れない

女の子特有の症状
□おしっこのときに痛がる
□おしっこが出にくそう
□股間を痛がる、かゆがる
□おしっこの中に血が混じっている
□おしっこの色やにおいが気になる

医学博士 福井真二先生
日本泌尿器科学会 専門医・指導医
日本小児泌尿器科学会 専門医

おとなとこどもの泌尿器科
ふくいクリニック
泌尿器科のかかりつけ医

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クリニックステーション五位堂2階
0745-71-3571
HP https://www.fukui-urology.com/

ライター

ことまま編集室
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奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
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