おねしょ、おもらし、おちんちんのことなど子どものおしっこや性器にまつわる悩みはつきません。子どもの泌尿器科を専門に診ておられるふくいクリニック院長福井先生に教えていただきました。

包茎って、どんな状態?

おちんちんの先にある亀頭という部分が包皮で被われていることを包茎といいます。子どもは生理的に包茎の状態です。成長とともに自然に亀頭部が露出されます。無理に包皮をむくと、包皮の先端がさけて、そこから細菌が侵入して包皮の感染症(亀頭包皮炎)を起こしたり、さけた包皮が硬くなって亀頭部と強くくっついてしまうことで病的な包茎になってしまう可能性があります。また、無理にむく痛みや恐怖から、おしっこができなくなったり、精神的なダメージを受ける子どももいます。

新生児では、ほぼ全員包茎状態です。亀頭がほぼ露出する割合は6ヶ月未満では5%未満、3~4歳では約半数、11~15歳で70%をこえるとされています。亀頭包皮炎を繰り返す場合などには、包皮をめくる訓練をしたり手術を行うこともありますが、子どもの包茎は特に症状のない場合は無理にむかず、自然経過でいいと思われます。

でも、気になることや心配がある場合には、お気軽にご相談下さい。

尿路感染症って、どんな病気?

 おしっこが作られる腎臓からおしっこの出口(外尿道口(がいにょうどうこう))までを尿路といいます。外尿道口から細菌が侵入して起こる病気が尿路感染症です。

乳児期では男の子に多く(女の子の2~5倍)、1歳以上では女の子が多くなります。(男の子の約10倍)

よくある尿路感染症

腎盂腎炎
(じんうじんえん)
感染が腎臓までおよぶ。発熱、腹痛、食事摂取量の低下、嘔吐など

膀胱炎
おしっこが頻回にでたり痛みがある。急におしっこに行きたくなっておもらしをするなど

亀頭包皮炎
おちんちんが赤く腫れる。痛み、ときに膿が出る

尿検査で、白血球(細菌をやっつける)や赤血球(酸素を全身に運ぶ)、細菌などを確認して診断します。腎盂腎炎や膀胱炎の場合は、超音波検査で尿路の先天的な異常がないかを調べたうえで、抗生物質による治療を行います。

おしっこの回数が少なかったり便秘のあるお子さんは尿路感染症を繰り返すことがあるため、排尿や排便の習慣を見直すことが非常に重要です。また、発熱のある尿路感染症(腎盂腎炎)を繰り返す場合は、先天的な病気がないか、超音波検査以外にさらに詳しい検査が必要になることがあります。

尿路感染症かも?

こんな症状があったら病院で受診しよう。

  • おしっこを痛がる
  • おしっこのにおいが気になる
  • 突然おもらしする
  • 風邪症状のない原因不明の発熱
医学博士 福井真二先生
日本泌尿器科学会 専門医・指導医
日本小児泌尿器科学会 専門医

おとなとこどもの泌尿器科
ふくいクリニック
泌尿器科のかかりつけ医

香芝市瓦口2253番
クリニックステーション五位堂2階
0745-71-3571
HP https://www.fukui-urology.com/

ライター

ことまま編集室
ことまま編集室
奈良県を中心に子育てが楽しくなる情報を発信するWebマガジン『ことまま』の編集室。
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